キッカケは2年前の七夕の日。
当時私が介護士として働いていた時。
お世話をさせてもらっていた方との突然の別れ。
その方は認知症ではありましたが、心が通じる瞬間や会話ができる時も確かにあって、その中で笑顔になった貴重な瞬間に私自身すくわれていました。
葬儀に参列する中、不思議なほどただただ止まらない涙。
介護の仕事をしている時、本当にたくさんの事を教えてもらいました。
職業柄お看取りする機会も少なくなく、その度に 人生の最後を布団の上で迎える人と、不自由なく暮らせている自分自身との時間の重さの違いにやりきれない想いを感じていました。
だんだんと食べる事も出来なくなってきて、その時唯一口にできたオレンジジュースに、『最高!』と笑顔を見せてくれた姿が今でも忘れられません。
『卒業おめでとう』としたのは、お通夜で住職が言った言葉。
「懸命に生き抜いた命、辛い事に良く耐え抜いたんだから、おめでとうと言って送ってあげましょう。」と・・・
歌詞の中に出てくる
「怨み(うらみ)、辛み(つらみ)、妬み(ねたみ)、嫉み(そねみ)、嫌み(いやみ)、僻み(ひがみ)、やっかみ」とは仏教で言う『七つの苦しみ』
自分と他人を比べる事で生まれる煩悩。
生まれた時は何も持たずにいたはずなのに、いつのまにかこの七つの苦しみに縛られている。
見えなくなってるもの、余計に持ちすぎているもの。
この言葉は、自分自身へ向けた戒めでもあります。
曲にするつもりもなくただただあふれた言葉。
曲にしていいのか正直戸惑いました・・・
想いを伝え、出だしをせんちゃんが歌った瞬間2人で泣いていた。
そこに岩橋さんが見事に想いをすくいとったピアノを弾いてくれた。
改めて向き合い、看取り、生きること、死の考え方を切実に綴った曲です。
今回は、次回作『ひといきみち』収録音源をいち早くミュージックビデオとして公開します。
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岡本 (木曜日, 27 9月 2018 21:32)
はじめまして。この曲聴いて泣きました。私も看護に携わる者として、常に一人一人との関わりを大切にしてきましたが、向き合い方、看取り方、死の考え方、そして生きる事とは?と考えさせられました。
一生懸命、介護に関わり、ケアをしてきた1人の介護士さんの思い、そして人生の煩悩に悩み生きてきただろう人生をそしてこの世を魂の学校ととらえて、人生卒業おめでとうとした住職さんの言葉。悲しい別れだけど、前向きに魂を送り出せる言葉としてすっと心に入ってきました。
岡本さん (土曜日, 29 9月 2018 08:41)
コメントありがとうございます。
私自身もこの曲を演奏するたびに考えさせられます。
祖父が亡くなった時もこの曲と 「人生卒業おめでとう」という言葉が自然と想いになってあふれてきました。
誰でも生まれた時から死に向かって生きていますが、改めて向き合うこと、尊い1日1日を大切にしようと思わせてくれる曲です。